パイプオルガン
ハーモニーホールふくいのパイプオルガン
-
パイプオルガン
-
整音作業
このパイプオルガンはシンフォニック・オルガンと呼ばれるタイプで、ドイツやフランスのロマン派の音楽の演奏に特に優れ、繊細で柔らかいピアニシモから悠々たるフォルテシモまで幅広いダイナミックレンジの表現が可能です。
同時に、バロック音楽も演奏できるように伝統的な音色も兼ね備えています。
そのため70ストップ (音色)を備える大規模な楽器になりました。
パイプオルガンのソロでは多彩な音色と響きの変化を楽しめますし、オーケストラや合唱等との共演でもこの楽器の特色を大いに発揮します。
製作したのはドイツの名門、ベルリンのカール・シュッケ社。ホールの響きが熟成してから設置されたことから、ホールの雰囲気にもマッチしたデザインで、理想的な状況で建造することができました。
パイプオルガンは設置される空間にあわせて1台1台綿密に設計されます。
「ハーモニーホールふくい」のパイプオルガンは、2004年4月、半年間の組立作業と整音作業(ホールにふさわしいパイプの音を作る作業)によって完成しました。
大きさ | 高さ約10m×幅約11m×奥行き約5.4m(水平トランペット含む) |
---|---|
パイプ数 | 5,014本 |
ストップ数 |
70ストップ + グロッケンシュピール ストップリスト |
鍵盤数 | 第Ⅰ~第Ⅳ手鍵盤:各61鍵、ペダル:32鍵 |
調律法 | 平均律 |
パイプオルガンの演奏台
- モータースイッチ
- 譜面台
-
手鍵盤
- 第Ⅰ鍵盤 ハウプトヴェルク
- 第Ⅱ鍵盤 ポジティフ
- 第Ⅲ鍵盤 シュヴェルヴェルク
- 第Ⅳ鍵盤 水平トランペットとクラリネット
- 足鍵盤
-
ストップ
音色を選択するノブ。
向かって左側から足鍵盤、 第Ⅰ鍵盤、譜面台と鍵盤をはさんで右側に第Ⅱ、第Ⅲ、第Ⅳ鍵盤用のストップが並んでいます。 -
メモリーボタン
選択した音色をオルガン本体に記憶させ、演奏の際、ボタン操作で呼び出します。
-
メモリーカード挿入口
オルガン本体のメモリーをカードに記憶、再生させることができます。
-
モニター
オーケストラや合唱等との共演時、指揮者を映し出します。
-
スウェルペダル
ペダルの操作で第Ⅱ鍵盤と第Ⅲ鍵盤の音量を調整します。
-
カプラー
足鍵盤と手鍵盤、手鍵盤どうしを連結させるスイッチです。
パイプオルガンについて
起源と歴史
パイプオルガンの起源は、紀元前3世紀に北アフリカ地方で発明された水圧オルガンにさかのぼります。
その当時のオルガンは、楽器としてというより、祭事の道具や贈り物として使用されていました。
その後、パイプオルガンは8世紀にヨーロッパへ伝来した記録があります。
また、11世紀に入るとヨーロッパ全域で聖堂建築が盛んとなり、パイプオルガンが教会の楽器として使われるようになりました。
パイプオルガンが最も楽器として完成されたのは18世紀で、ちょうどドイツではJ.S.バッハが活躍した時代と重なります。
19世紀はオーケストラ音楽の時代の流れとともに、パイプオルガンはコンサートホールに設置されるようになりました。
音の鳴る仕組み
パイプオルガンの仕組みには、必ず三つの要素が必要です。
それは「①パイプ」「②ふいご」「③鍵盤」この三要素がそろって初めてパイプオルガンが音を奏でることができるのです。
パイプの種類と音色など
パイプの材質は金属と木管があり、発音の原理では、リコーダーと同様の仕組みを持ったフルー管と、リードの発音を利用したリード管があります。
また、パイプオルガンには"ストップ"と呼ばれる音色を選択する機能があり、変化に富んだ演奏をすることができます。たくさんの音色を選んだ場合には、オーケストラ に匹敵する大音量が出る理由がここにあります。
大きなパイプオルガンには複数の鍵盤があります。それぞれの鍵盤に、音色、音量、また作品にふさわしい使い方があるのもパイプオルガンの特色の一つです。